アポロ11号が月に降り立ったのと同じ年、地球ではインプラントが誕生しました。
失った歯を人工材料で補う試みは紀元2~3世紀の古代ローマ時代から行われていましたが、スウェーデンのブローネマルク(Branemark)らが、チタンと骨組織が積極的に結合することを発表し、骨結合型インプラント(オッセオインテグレーション・インプラント)が開発され、1969年から人間に本格的にインプラント治療が行われるようになりました。
当初、無歯顎患者を対象に2回法で行われたインプラント治療は、術後5~12年で上顎84%、下顎93%と高いインプラントの生存率を示したことから、これ以降、急速にインプラント治療が普及するようになり、その後さまざまな欠損形態に応用されはじめ、部分欠損症例はもとより、単独歯欠損にまで普及するようになりました。
デンタルインプラントは、現在実用に供されている人工臓器(心臓ペースメーカー、人工内耳等)の中では、最も完成度の高いものであると考えられています。
今日もデンタルインプラント技術は進歩し続けているのです。