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インプラントの欠点

2010.11.19 カテゴリー:コラム

こんにちは。原デンタルオフィス院長の原です。

ブリッジや入れ歯に比べると、装着感・審美性・清掃性や、支えとなる歯がないので健康な歯への負担がかからないなどインプラントの利点はたくさんあります。
しかしやはり天然の歯を健康な状態に保つのが最良だということは間違いありません。
ということで、今回は天然歯根と比べた際の人工歯根(インプラント)の欠点についてお話したいと思います。

天然歯根は骨との間に歯根膜というクッションが存在します。
これは衝撃を吸収することで歯の根にかかる力を適度に調整する機能を備えています。
またそれと同時にもうひとつ、歯根膜咬筋反射を起こす、という役割があります。
たとえばおせんべいのような固いものを噛んだ時上下のあごには大きな力がかかっていますが、おせんべいが割れた後その力のかかったまま上下の歯がぶつかってしまうということはないですよね。
これは歯根膜咬筋反射によって閉口筋という口を閉じるための筋肉へ信号を送って噛む力を一瞬自然に弛緩させ上下の歯が強い力でぶつかりあうのを防いでいるからです。かっけの検査の際、すねへの衝撃で足が上がる膝蓋腱反射と同じ理屈ですね。

そしてこの歯根膜咬筋反射を起こすセンサーの役割をしているのが歯根膜です。

この歯根膜は歯根にくっついているため、歯を抜いてしまうと一緒に骨からはがれてしまいます。
一方インプラントとはチタン製の人工歯根を天然歯の無くなった歯ぐきに埋入しオッセオインテグレーションにより骨とチタンが直接結合させることで、人工歯根を歯の土台として安定させるのですがこのとき天然の歯はもちろん既になくなってしまっている状態なので、歯根膜もはがれてしまっています。
つまり人工歯根と骨の間には歯根膜は存在しないということです。そのためセンサーがなくなり、施術箇所に関しては歯根膜咬筋反射が働かなくなります。

この問題に関しては今後のインプラント治療の課題となっていく点だと考えています。

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